源六郎とよばれていた若き日の八代将軍・吉宗が、紀州家のお世継ぎをめぐる騒動に、もって生れた情熱と反逆精神を叩きつけ、雄大壮麗な南の海を背景に恋と活劇を繰り広げる青春時代劇。
御存じ黒門町の伝七が、美人年増の殺人容疑に問われた義弟を救うため姿なき殺人者を追ううちに、小指のない男を首領にいただく麻薬密輸団に遭遇、大江戸白夜に凄絶な捕物を展開する。
地位と名誉と実力を誇る将軍家御指南番・伊勢伊勢守が、風来坊の偽伊勢守のために散々な目に会うという常識破りの痛快な物語を、思い切った趣向の演出でユーモラスに描いた傑作。
剣一筋に生きる南朝十九代・鷹天皇と伊賀忍者・万次郎の相反した境遇の二人の青年が、時代の激しい波に耐えて、人生の意義を見出す過程を描いた冒険活劇。
「東海の顔役」「東海一の若親分」に続く、大好評、錦之助の次郎長シリーズ第三弾。甲府に向った錦之助一家が悪政とボスの跳梁に悩む人足たちを救うため、二足草鞋の猿屋勘助、悪政の甲府勤番支配に挑戦するという・・・
男が十年間抱き続けた恋心は、陽光きらめく祭りに、火を呼び、血の嵐を呼んで、遂に男を死に追いやる。港祭りに集まった人々の哀歓を背景に、七夕の彦星・織姫の哀恋に似た宿命的な恋を情感豊に描いた時代抒情詩。
大井川に名を轟かせた暴れ者の川越人足が、捨て子を拾って育てていくうちに、父親としての愛情に芽生えるが、その子が大名の御落胤であることから、泣く泣く我が子の幸せを願いつつ、別れ別れになるという愛の涙を・・・
備後福山十万石の跡目相続を巡って起こるお家騒動を、ふり袖小姓弦之介の名推理と、これに協力する江戸っ子町人、推理将軍のユーモラスな活躍で、バラリンズンと解明する。沢村訥升の捕物シリーズ第1弾。
前作に続いて十万石授与の秘密を持つおしどりのお墨付きをめぐり、その横領を企む甲州馬団と対決する新伍浪人と許婚志津、盗賊武州の小徹、さみだれお蝶、そして密偵岩石先生などの活躍を爽快に描いた戦慄時代劇完・・・