作品詳細
DETAIL四谷怪談・前篇
ストーリー
STORY
お岩が茶屋女として暮らした時に知り合った民門伊右衛門は、彼女を妻として迎えてみたものの、今では仕官の口を探しながら、カサ張りを内職に暮らさなげればならなかった。お岩にしてみれば過去の陰惨な生活を一日も早く拭い去ろうとして、また伊右衛門の良き妻になろうと努力していた。お岩にはお袖という妹があったが、お袖は反物を売りさばく与茂七という夫があり、貧しいながらも幸福な日々を暮していた。しかし姉のお岩と伊右衛門の間に何にかしら割り切れない溝があった。伊右衛門は気の弱い気性を押して毎日仕官の口を探していたが、ある日一寸したことで一文字屋喜兵衛の娘お梅とその侍女お槙を救ってやった。それを見ていた牢破りあがりの直助は早速悪智恵を働かせて、お梅と民門伊右衛門の間を取り持った。伊右衛門を恋慕するお梅と仕官が定まる形勢を感じた彼は少なからず動揺したが、お岩の純情さとふとしたことから流産した彼女の身辺を気使うのである。一方直助と同じ牢暮らしていた小平はお岩をそれとなく恋する余り、遊び使いその果ては正直ものの性格が一変してしまった。彼はお岩のためならばどんなことでもやってのけるという恋に狂い、一人彼を待つ母をもかえりみなかった。直助は考えた。小平が自分の秘密をにぎっている、それに伊右衛門の妻お岩を恋している、お岩は全然小平を相手にしない、伊右衛門はお梅をめぐって迷っている、これに目をつけて直助は伊右衛門をそそのかし始めた…。