作品詳細
DETAIL母の願い
ストーリー
STORY
阿部ふじのは医者であった夫を亡くしてから、十数年の間女手一つで一雄、真二、千鶴子の三人の子供たちを育ててきた。苦しい生活の中で、彼女の唯一の希望は、子供の一人が亡夫の志をついで医者になってくれることだった。ところが内気な長男の一雄は医大の入学試験に失敗し、そのまま家へ帰って来なかった。次男の真二は高校野球の花形投手だったが、母の失望を見て野球選手になる希望をすてて医大を受験する決心をした。ふじのは病院の汚物処理の仕事をして働いていたが、過労がたたり病床に倒れた。真二は母の医療費を受けるために誘いを受けていたプロ野球には入ることになったが、ふじのはそれを知って悲歎にくれた。千鶴子は自分が医師になって父の志をつぐからと母をなぐさめていたが、その時行方不明だった一雄が帰宅した。彼は医大の試験発表の帰路、密輸団の争いに巻き込まれ、怪我をしたのを女給上がりの女京子に救われていたのであった。しかし母の病気に一家が苦労している様子を知ると、密輸団の親分に身を売ることを約束して金を受取りその金を病院へとどけた。けれど一雄の無謀を知った人々の配慮で、密輸団は手入れをされ、一雄は京子と共に無事に家へ帰ることが出来た。