作品詳細
DETAIL陽のあたる家
ストーリー
STORY
東京の片隅、建ち並んだバラックやトタン囲いの小舎の一つに中原みつの一家が住んでいた。みつは夫に戦死され、四人の子供を抱えて日傭人夫として働いていた。十九になる長女春子は洋裁店に、次女の夏子はレストランに勤め、中学生の秋男は大工仕事を習い、小学六年生の冬子までが近所の子守をして母親を助けていた。近くに住む電気工夫の山田徳二は則夫と辰夫と男の子二人を抱えたやもめ暮らしをしていた。彼には咲子という未亡人の娘がいるのだが、咲子は身を持ちくずして幼い子を連れて家出しているのだった。春子の発案でみつと徳二は結婚し、新家庭に幸福がほほ笑みそうだったが、それも束の間、徳二が不慮の事故で死に、みつは六人の家族を抱えて再び集金人として仕事に出ることになった。そんなある日、ふと子供を連れた咲子が帰って来たが、居合わせた則夫は、みつへの気兼ねの気持ちもあってか、この家は姉さんのような人の来るところではないと、泣きながら咲子を追い返した。集金人となったみつは、仕事のために裏の空地で自転車の練習をはじめたが、徳二の弔慰金から買った中古の自転車は盗品と判って引きとられ、苦しい日が一家に続いた。春子のファッション・デザインが入賞して三万円の賞金が貰えるという吉報の舞い込んだ日、則夫が辰夫を連れて千葉の伯母の家に行ってしまった。