地下鉄(メトロ)に乗って(2006年公開)
大都会・東京の地中深く縦横無尽に張り巡らされた地下鉄路線。多くの人々にとっては何の変哲もない日常の移動手段に過ぎない。そこから逸脱し、過去に旅する主人公の真次とみち子は、図らずもお互いの絆を深めることになるのだが。演じる堤真一、岡本綾と一緒に見る者も、地下鉄の轟音と共に過去へ連れ去られる。直木賞作家・浅田次郎の自伝的要素の強い同名小説を原作に、一筋縄ではいかない父と子の愛憎や、愛する男を幸せにするために非常な決断を下す女心がエモーショナルに描かれる。大沢たかおが出征直前の若者から、威圧的な父親までを一気に演じれば、真次を過去に誘う恩師役の田中泯が圧倒的な存在感で異彩を放つ。