(C)東映
ひとひらの雪(1985年公開)
“愛とはひとひらの雪ほどの確かさもないが、人はそれを求めずにはいられない。”
渡辺淳一原作のベストセラー「ひとひらの雪」の映画化作品。主演は不思議な魅力を持つ和服の似合う人妻を演じた秋吉久美子と地位も名誉もお金もある男の弱さ、だらしなさの中に滲む中年男の色気を熱演した津川雅彦。根岸吉太郎監督の演出が「男と女の激しい愛の形」を鮮やかに描き出す。
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“愛とはひとひらの雪ほどの確かさもないが、人はそれを求めずにはいられない。”
渡辺淳一原作のベストセラー「ひとひらの雪」の映画化作品。主演は不思議な魅力を持つ和服の似合う人妻を演じた秋吉久美子と地位も名誉もお金もある男の弱さ、だらしなさの中に滲む中年男の色気を熱演した津川雅彦。根岸吉太郎監督の演出が「男と女の激しい愛の形」を鮮やかに描き出す。
『ヴァイブレータ』で各賞を受賞した、監督、主演女優による第2弾。当人には大きな出来事だが、他人にとっては大事件でもない日常のできごと。前作同様、そんな日々に起きる微妙な心のひだを描いた本作だが、やはり最後まで画面にひきつけられる魅力に満ちている。寺島しのぶは、毎度ながらスーパーの買い物袋を下げて近くの商店街を歩いてそうな、身近でリアルな人間を演じるのが実にうまい。初めは脱力してノホホンと気楽そうに生きている彼女の姿だが、やがてそれがうつ病である自分に負担をかけないためのものだとわかってくる。そんな彼女にかかわり合う男たちはみな優しく、彼女を癒してくれる(なぜか女性はいない)。とくに愛嬌のあるダメな四十男を演じる豊川悦司は、女性なら誰もがこんな男にそばにいて欲しいと思う存在だろう。登場人物に対する眼差しはとても暖かい。やさしい気分になれる2時間だ。