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雁も頼もか、ツバメに言おか、母のなさけと、乙女の恋を、笠でかくして心でわびて、身代りやくざの殴り込み!
腕は冴えたり柳生流、白面の貴公子雷蔵が、短銃、白刃の真ッ只中に、姫君小脇に痛快ひらく鬼斬り剣法!
恋か!天下か!快剣士、勝新太郎!二つの秘宝を抱いて陰謀渦巻く真っ只中へ!
きった啖呵にもろ肌ぬげば、パッと咲き出す真紅の桜!魅力満開の雷蔵が痛快の大殺陣!
俺が狙っているのは体じゃあねえ!お前の肌にかくしてある品が欲しいんだ!
昨日は殿さま、今日はやくざで殴り込み!まゝよ三千石サラリと捨てゝ、恋し女と旅笠道中!
意気な先棒、陽気な後棒、歌って走るのんき駕、恋と笑いとスリルを乗せて、八百八丁をスタコラッサッサ!
剣を恐れず、名を恥じず、されど恋は絶ちがたし!
百万両の謎を秘めて、死を呼び血を呼ぶこけざるの壷!正邪入り乱れた必死の渦中へ、躍り出した丹下左膳愛刀濡れ燕をひっさげて、痛快無双の大あばれ!
世界的文豪、大近松の最高名作を得て描く文芸巨篇!