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はたちの青春

1946(昭和21年)/5/23公開     
配給:松竹 製作:松竹株式会社

佐々木康演出作品。

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ストーリー

桑原は銀行でも古参株の一人である。彼のケチなことにおいては定評があり、同僚から一本、二本と巧みに煙草を稼いだりして「ポケット稼ぎ」という俗名さへ持たれている。彼には一人娘がいて、女房にも甘いが、ことに娘のことになると極端な愛溺を示して同僚達の反感を買うのが常である。彼は上役の部長には最も信用があり、一番昵懇になっていると悦に入っている。そこにつけ込んだ同僚が、部長が桑原の娘を息子の嫁にとかねがね思っていると造言してもったいらしく桑原に告げる。部長絶対主義の彼はそれを信じ、娘には許婚者がいることも見捨ててかかるのである。娘の章子は父の思惑をよそ眼に父の昔馴染手習師匠三好の一人息子啓吉を慕い、お互いが許婚者であることを堅く信じている。ある夜桑原は例によって章子が啓吉の家に訪ねていることを知ると親の気持ちも知らぬとばかり、憤怒まじりで三好に食ってかかる。三好は売られた喧嘩と歯を食いしばって、啓吉に女弟子や他家の娘を嫁にとらせようと焦り出す。啓吉は父の一徹な性格がよく解るだけに苦しむ。この時、章子の母浅子は二人の味方に立ち桑原と口論の末、家を飛び出し実弟の二郎夫妻の店舗に隠れて一ヶ月近くも夫に抗戦を開始する。それは浅子が本人の意志を無視した結婚の不幸を娘の章子に二度と踏ませたくないとする母の愛情からであった。

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