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不死鳥

1947(昭和22年)/12/11公開 82分    
配給:松竹 製作:松竹株式会社

原作は川頭義郎。監督並びに脚色は木下恵介、楠田浩之の撮影。出演者は田中絹代に、佐野周二推薦佐田啓二が相手役としてデビューする他、小杉勇、山内明が共演。

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スタッフ

原作:
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ストーリー

程近い海から潮の香が、静かな波の音にのってくるある初秋の朝。未亡人といえば世間一般では、かげの女のようにとかく忘れられがちなものなのに…私がどんなに今幸福であるか、誰も知らない…と小夜は思うのである。真実こそ人間最上のものである。真実に生き抜く人こそ真に幸福な人の姿である。小夜子は恋に生き、愛に生き、はるかな希望を抱いて明日も又生きようとするのだった。他のどんな愛人同志でも、私達ほど愛し合うことは出来ないと過去の日を誇らかに思い出すのだ。その頃は小夜子は女学生服、真一は一高の制帽姿だった、そして学校の生き帰りにいつの日からとなく乙女心に印象づけられていった。真一の落とした定期券を小夜子が届けたことによって、二人の青春が急速に接近していった。夢のような四年は、テニスコートの春、ドライブの夏、音楽会の秋、ゴルフ場の春と過ぎていった。真一の頑固な父は二人の仲を頑強に反対した。やがて真一の入営も近づいたが、突如、余りにも突然、小夜子に不幸が襲ってきたのである。父の死!弟の病!無情にも軍の命令は、その小夜子を一人残して行かなければならなかった。真一が一週間の休暇で帰ってくるという報があった時、突然真一の父が疎開先の小夜子を訪れたのである。今正に息をひきとる弟を安心させてやってくれと、涙ながらの小夜子の真心は、いかな頑固な父親でも心打たれないはずはなかった。六年間の二人の真剣な愛が、結婚せずしてどうして一生の悦びとすることが出来るだろうか…。

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