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作品紹介

われ泣きぬれて

1948(昭和23年)/2/23公開     
配給:松竹 製作:松竹株式会社

石田清吉企画。沢村勉脚本、芦田正監督、鹿島正雄が撮影担当。主演は若原雅雄、津島恵子、その他に徳大寺伸、月丘千秋など。

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スタッフ

監督:
脚本:
音楽:
撮影:

ストーリー

石川啄木は病の床にふせっている。赤貧洗うが如き状態が続き、薬代さえどこからも出ない。妻の節子は途方にくれる以外にどうすることも出来ぬ。同郷の先輩金田一京助の心からの援助も、今は焼石に水であった。“今日もまた胸に痛みあり、死ぬならばふるさとに行きて死なむと思う”枕元に出ているやせ細った啄木の手に、詩のノートがあった。悲しい歌だ。親友若山牧水はこれをみて啄木を励ました。「死ぬことを考えてるのか。そりゃいけない、どうでもして生き抜くことを考えなけりゃ、君の詩を出版し給え、そうすればくらしの助けにもなるじゃないか」啄木は頭をふる。「これは出版したくないんだ」。牧水にも節子にも啄木の気持ちはわからなかった。ふるさと澁民村に帰りたい、と啄木が口癖のようにいい出した。ああ、ふるさとの山川、そしてあの小学校、啄木のまぶたの中に浮ぶ景色。しかし無情な死が若い啄木をつれ去って行く。節子の悲しみ、先輩友人の嘆き。一子京子だけは何も知らずにいう。「お父ちゃんはいつ帰って来るの?」節子の脳裏に今はクッキリとふるさとの姿が浮ぶ。せめて遺髪だけでも思い出の地に。節子は京子を抱きしめながら澁民村を訪れた。五年前のあの迫害を受けた土地に。

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