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作品紹介

肖像

1948(昭和23年)/8/3公開 73分    
配給:松竹 製作:松竹株式会社

製作は小倉武志で、黒澤明が脚本を書き、木下恵介が監督する。撮影も楠田浩之が担当する。主演は水戸光子、小沢栄太郎、菅井一郎、三宅邦子、佐田啓二、井川邦子、桂木洋子。

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スタッフ

監督:
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美術:
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ストーリー

ミドリは若いお妾であった。その旦那の金子は家屋売買のブローカーで、商売友達の玉井と二人で、格安なアトリエつきの家を買った。だがその家には老画家の野村一家ががんばっている。金子も玉井もこれには手こずったが、結局野村が二階の一間をあけるというので、野村を追い出す算段のため金子がその室に入ることになった。引っ越しの日、ミドリはふてくされていたが、意外にも野村一家の人たちから「お嬢さん」として迎えられ、やむなく金子とミドリは父娘として住みこんでしまう。下のアトリエに住む野村一家とは野村画伯とその細君、明るい娘陽子、まだ復員しないせがれ一郎の妻久美子とその子英一たちで、だれもかれも今の世にめずらしい善人であった。その人たちの中でミドリはいつか貧しいけれど明るい健康な生活に対する憧れに似たものが胸にひろがり、今まで濃いルージュをぬった唇に煙草をくわえていた様な彼女が形だけでもお嬢さんらしく振舞うことに、かすかな喜びを感じるのだった。そうしたある日、野村から肖像を描かせてくれと懇望されたミドリは、野村の澄んだ瞳の中で自分の本当の姿が見破られることを怖れたがとうとう承諾してしまう。ミドリの肖像画は野村の異常な情熱の中で進行した。だがミドリは一人の娘としてモデルになっていることが次第に苦痛になってきた。それはウソの皮にとじこめられた良心的な苦しみであったのだ。特に陽子とその恋人中島青年の明るい交際を目の前にみて、同じ年ごろである自分の心のうらぶれに耐えられなくなり、モデルもやめ、この家もとび出していこうと金子にせがむ。

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受賞歴

毎日映画コンクール監督賞(木下恵介)

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