1948(昭和23年)/8/4公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
依田義賢の脚本を小倉浩一郎、大曾根辰夫、服部幹夫が企画、演出、撮影を担当、出演者は原保美、徳大寺伸、岡譲二、幾野道子、佐伯秀男に山口勇、青山宏の他、田端義夫が特別出演。
昭和二十一年、八木光男、生田鉄夫の純情青年と啓子の竹馬の友三人は、大阪で一旗挙げようと闇屋の留の案内で故郷を後にした。しかし三人の乗った列車に集団強盗が現れて品物を巻き上げられ物騒な世の中に驚かされる、大阪心斎橋キャバレー雑踏、都会の表情は三人には珍しく楽しいものであったが、留が紹介した闇屋仲間に挨拶というのでさんざん殴られ、弱虫の光男は洋服をぬがされて追い出され、見所があるというので鉄夫と啓子は仲間に残された、泊まる家なくトボトボと街を歩いていた光男は私服の平野署長に救われ、彼の進めで警官養成所に入所する。一方鉄夫は親分倉橋にも認められ、ズルズルと悪の世界へ足を踏み入れていった。光男が養成期間を終えて一人前の警官になった時には、鉄夫は生田の鉄と呼ばれる兄貴分として名前を売り、故郷を出たころの純真さは消えて、啓子に対しても冷たく他の女までこさえている始末であった。ある夜鉄の一味はある工場の倉庫を襲い、鉄の一弾に門衛は倒された。ギャング団は武装なき警察陣の無力をせせら笑った。数日後、留置場で光男は留と会い鉄夫とダンサーに身を崩していた啓子に邂逅し、お互いの異なる境遇に驚いた。そのころ警察には射殺権が与えられ、武装警官隊は待つこと久しとギャング撲滅に乗り出した。そして鉄夫と光男は敵味方として闘わねばならなかった。