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一寸法師

1948(昭和23年)/8/17公開     
配給:松竹 製作:松竹株式会社

小倉浩一郎の企画で、江戸川乱歩原作同名の探偵小説に取材し、沢村勉が脚本を書いた。市川哲夫が監督に当たる。藤田進が主演し、月丘夢路、鈴木美智子、永田光男が出演、元大都の活劇スター兼監督(八代毅)で鳴らし戦時中満映にいたハヤブサ・ヒデトの帰還後第一作。問題の一寸法師にふんする酒井福助は京都日ノ丸移動演劇部“お笑いの家”の浪曲家。藤田進の明智小五郎ものシリーズの第一編。

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ストーリー

真夜中の山野邸に一寸法師がしのび込んだ。長女三千子は許婚者小林を妹加代子とともに送り出して寝室に入った。明朝三千子の主治医岡本が来たころ、山野家は加代子失踪事件で仰天していた。扉には「父の恨みをはらすべく山野一家に天誅を加えんとす。加代子はおれが殺した。ピアノの中を見よ--野々宮栄吉の遺児」と張り紙が不気味に貼られ、山野の妻百合枝は探偵明智を訪れる。野々宮惨殺の旧悪を持つ山野は警察沙汰になるのを恐れ、信頼する蕗屋に秘密裡に死体埋葬を頼み、蕗屋はピアノの中から加代子の死体を運び出す。ここにかけつけた明智の活躍が始まる。明智は戸外の一寸法師の影を養源寺の境内に追いつめるが逆に手裏剣の雨をあびる。岡本医師と蕗屋の正体に明智は疑惑を持つが、まず山野家の事情を調査するため、助手の桃子を山野家のスパイに入れる。そのころ山野家には「十三日午後九時に三千子を殺す」旨の同じ脅迫状が舞い込む。山野は再び蕗屋に頼み、彼の家に三千子をかくまってもらう。桃子と明智は養源寺裏の蕗屋宅を探るが、三千子は見当らず蕗屋と岡本に会う。一方この監禁に不安を頂いた三千子は抜け道を発見して逃げ、一寸法師に追われて小林のアパートに飛びこむ。小林はただちに地下室に三千子をかくす。一寸法師より小林のバイオリンケースが盗まれ、ビルの屋上から二本の女の手が入ったこのケースが落ち、巷間の話題をさらう。明智はこの手を加代子のものと断じ、新聞はケースの署名から犯人は小林と報じる。

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