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作品紹介

風の中の牝鶏

1948(昭和23年)/9/17公開     
配給:松竹 製作:松竹株式会社

久保光三の製作で、斎藤良輔と小津安二郎の協同脚本を小津安二郎が終戦後第二回作品として監督。撮影は厚田雄春が担当。主演は佐野周二と田中絹代で、三宅邦子、笠智衆、村田知英子等が共演し、他に殿山泰司に岡村文子、文谷千代子、三井弘次らが出演。

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スタッフ

監督:
音楽:
撮影:

ストーリー

間借り生活の時子は小さい浩をかかえ、まだ復員してこない夫修一の帰りを待ちわびていた。時子は頼りにしている友達秋子を時折訪ねては、一枚、二枚の着物を託し、それを同じアパートの織江に買ってもらうのだった。今日も時子は秋子を訪れた。織江はそうした時に「時子さん、きれいだからその気になりゃ、こんなことしなくてもいいのに・・」と言うのだ。その日家に帰った時子は、突然の浩の発熱に驚きうろたえて近所の病院へ走った。浩は急性大腸カタルであった。何本も注射が打たれ、なんとか命だけはとりとめることが出来たが、次に時子の上にふりかかって来たものは病院の支払いであった。彼女はどうすることも出来なかった。迷った時子の足は織江を訪ね、そして月島のいかがわしい家に、知らぬ男との一時を過ごしてしまった。数日後浩は無事に退院した。秋子は織江の口から時子のことを知って驚き、時子をなじった。「何故私にいってくれなかったの?」だが時子にしてみれば、貧しい秋子に相談して秋子を困らせたくなかったのだ。それにしても何という馬鹿なことをしてしまったのだろう。時子は、犯した過ちの大きいことに、今更胸をしめられる思いであった。そうしたある日、突然夫修一が帰って来た。修一はつい最近浩が病気をしたことを知り、病院の支払いをどうしたかと尋ねるのに、時子は胸がつまって答えることが出来ない。何か疑惑を感じた修一に強く問いつめられ、ついに時子は何もかも言ってしまうのだった。

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受賞歴

毎日映画コンクール女優演技賞(田中絹代)

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