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シミキンのオオ市民諸君

1948（昭和23年）/11/16公開　　　　　
配給：松竹　製作：松竹株式会社

陶山鉄が企画、斎藤良輔と津路嘉郎とが、横井福次郎の漫画を協同執筆。監督は川島雄三が当たり、撮影は西川亨の担当である。朝霧鏡子、清水金一、堺駿二らが出演し、他に勅使河原幸子や横尾泥海男、松竹歌劇団等が出演。本作品は川島雄三の正式監督昇進第一回作品。

ストーリー

新円成金の丸尾銀造は、文化文化と主唱して、あり余る金を美術骨董に使っていた。彼はその品々の価値すらも分からない。その証拠に高価な三島茶碗もあることから、メクラ島も同じ島がつくから同類の名器だろうと思って買ったところ、それが茶碗でなくて本当の無人島と知って銀造もびっくりしてしまった。しかしこの島を何とか片づけねばならない。そこで銀造の娘マリと秘書の机書右衛門はこの島を観光地にしようと計画する。早速一行は快速艇に乗り込んで島にたどりつく。意外や無人島であるべきそのメクラ島に、数人の男と一人の乙女が自給自足の生活をしていた。彼等は船が漂流して、流れついたのがこの島。民主的な生活を三村金八を中心として営んでいたが、唯一の女性であるアン子がどうやら金八を恋しているらしい。そこへ怱然と現れたのが視察の秘書と令嬢の一行である。そこで一行は直ちに住民達にこの島が将来有益な夢の島として計画していることを説明する。島の住人たちは緊急会議を開き、金八を代表として選ぶ、島の住民達はこの計画に反対したが、文化のためとあってはやむを得ない。東京に向かった一行は、金八を文化のためにと説きふせる。やがて文化をもりたくさん積んでメクラ島を再び訪れた。金八をアン子は待っていた、そして住民達も。しかしやはり事実はだまされていたのである。金八も怒った。ところが突如メクラ島が地震で陥没するというニュースが報ぜられる。