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わが恋は燃えぬ

1949(昭和24年)/2/9公開     
配給:松竹 製作:松竹株式会社

糸屋寿雄の製作で、野田高梧の原案から依田義賢と新藤兼人が協同で脚本を書き、溝口健二が監督した。撮影は杉山公平の担当。主演は田中絹代、菅井一郎、小沢栄太郎、水戸光子で、三宅邦子、沢村貞子、その他俳優座より東野英治郎と松本克平、および千田是也、信欣三、浜田寅彦らが出演。

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スタッフ

原案:
監督:
音楽:
撮影:

ストーリー

明治十七年、自由民権の思想はほうはいとして青年の心を揺さぶった。岡山の旧家封建的な制度の中に育った平山英子もその恋人自由党員早瀬龍三の帰省によって、急速に自由への憧れに胸を熱くした。東京へ帰った早瀬を追って英子が国を出たのは、それから間もなくだった。東京へ-英子はそこでいまだ藩閥専制の渦の中で、自由の思想をもって生きていくことの如何に困難であるかを知ると同時に、早瀬が意外にも口に自由を唱え、その正体は藩閥政府のスパイであることを知って愕然とした。英子は裏切られた。しかしその英子を励ましてくれる重井憲太郎があった。重井は自由党内の重要人物であり何かにつけ英子を力づけ、英子の心は急激に重井にひきつけられた。かかるとき井藤俊文の帰朝によって自由党への弾圧は激しく、総裁稲垣はもろくも井藤の膝下にあった。重井は痛憤してあくまで自由のために闘うことを心に誓った。そこには既に重井と結ばれた英子があったのだ。そのとき秩父の製糸工場の突発事件が起こった。虐げられた女工たちとその親たちである貧農が暴圧に耐えかねて立ったのだ。重井と英子は応援にかけつけた。その夜工場は火災を起こし、重井も英子も、そして女工の一人、放火した千代が投獄された。千代はかつて岡山の英子の家の小作人の娘でこうして遠く売られてきていたのだ。奇遇であった。同じ牢獄0で英子は千代をかばい、そして女の無力を知った。明治二二年憲法は発布された大赦によって重井たちは出獄した。重井は出獄と同時に第一回総選挙に立候補するため、自由民権運動の中心大阪へおもむいた。もちろん英子も、そして千代も一緒だった。こうして三人の生活は始められた…。

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