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作品紹介

嘆きの女王

1949(昭和24年)/6/21公開     
配給:松竹 製作:松竹株式会社

国際タイムス連載の船山馨原作『喪失の季節』新聞小説を沢村勉が脚色し、長い間、吉村公三郎監督のアシスタントの萩山輝男が第一回作品として監督に当たる。撮影は長岡博之が担当する。月丘夢路、徳大寺伸、花井蘭子らが主演し、山内明、清水一郎、安部徹、神田隆、沢村貞子らが出演。

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スタッフ

原作:
監督:
音楽:
撮影:

ストーリー

笠原真澄は映画女優である。今やジャズ歌手としても有名で、人気もあることを自分ながら知っていた。しかし、彼女の胸には七年前の傷がうずいていた。それは彼女が音楽学校を卒業したばかりの頃、愛した重光達生は二十九歳の若さで外科医の医学博士号をとり、その将来を嘱望されていた。二人の間には熱烈なそして清潔な愛情があった。ちょうどその頃、脇坂出版社の社長である脇坂茂平という初老の男から、是非真澄のパトロンになるという話があった。真澄にとっては女優として成功する、大きな魅力でもあった。遂に脇坂に肉体の純潔を奪われ、しかも異常妊娠で手術を必要とするに至ってしまった。その良心の呵責に苦しみ、真澄は重光に告白する。彼はすべてを許してその手術を引き受けるのであった。だがそれからまもなく彼の勤めていた昭和病院に重光の姿は見えなかった。絶望した真澄は虚しい自棄の心をいだいて再び茂平の腕にもどり、女優として成功するのに夢中になった。茂平の後援も異常な熱心さだった。そしてそれから七年間、今は豪奢な邸宅に住む身分であったが、重光の面影が今なお胸の中に生きていた。七年前に姿を消した重光達生は、そのころ場末映画館で真澄の主演している映画館をあさって歩いていた。彼はすべてを許せる気持ちで真澄の手術を引き受けたが、手術最中に愛を裏切られた失意惑乱から彼は、無意識のうちに必要のない片方の卵管まで切断し、真澄を不具者にしてしまった。その夜から彼の苦悩が始まり大陸に渡り転々として歩き、遂に彼はアルコール中毒症状になって帰ってきた…。

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