1949(昭和24年)/7/26公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
「桃色河童騒動」の改題で製作は保光三。元ムーラン・ルージュのライター穂積純太郎の原作を津路嘉郎が脚色、佐々木康が監督する。配役は岸井・森川の“のらくらコンビ”に奈良光枝、川路龍子、並木路子を中心に、日守新一、小林十九二、大辻司郎、横尾泥海男、らが出演。松竹歌劇団から小月冴子、曙ゆり以下東京方全員が参加。霧島昇、池真理子らが特別出演。
海底の龍宮城から浦島太郎は、乙姫のキッスと玉手箱とそのカギをもらって、カメとタコに送られて故郷へ帰って来た。故郷の海岸は時代の変転ですっかり近代的な都会と変わり、昔浦島太郎がカメを助けたという伝説の博愛精神に基づいて大博覧会が開かれていた。うろうろする太郎はコンクールの応募者と間違えられて、結局一等に入選してしまう。本物の浦島だと頑張るが、会場に来るチャリンコのサヨリとサバ吉に肝心の玉手箱をスられてしまったので、どうにも証拠が立たず一同から狂人扱いされる。一方玉手箱はサヨリの手から河童の悪党青助の手に渡るが、カギがないのでどうしても開かず、サヨリとサバ吉はまたカギを持つ浦島を狙う。この事件の中に警察署長の息子のカツ男が遠洋航海から帰ってくる。カツ男は町長のアン子と許婚である。ところがパーティでアン子が浦島と踊っているのを見て、やきもちと失恋で外に飛び出す。アン子も見つけてすぐ追うが及ばない。そこへ河童の親分九千坊が青助たちの子分と紳士に化けて来て、アン子をさらって逃げてしまう。町は上を下への大騒ぎとなり、浦島も玉手箱さえあればと残念がるが、今度はサバ吉のためにカギまで盗られてしまう。サバ吉とサヨリは浦島の落胆を見て改心し、浦島とカツ男を河童の国へ案内する。アン子を目前に見ながら流石の浦島とカツ男も九千坊の妖術でしばられ火あぶりが始まる。その危機一髪!乙姫がタコとカメをつれてかけつけ、玉手箱の魔術で河童一味をやっつけてしまう。浦島は乙姫と結婚して龍宮に帰ることになり、アン子とカツ男も結ばれた。