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まぼろし夫人

1949(昭和24年)/9/23公開     
配給:松竹 製作:松竹株式会社

製作担当は石田清吉で、大映の「虹男」の執筆者、高岩肇のオリジナル脚本を、「緑なき島」の小坂哲人が監督に当たる。撮影は服部幹夫。出演者は藤田進、山村聡、高橋貞二、三宅邦子の他、若杉曜子をはじめ、清水将夫、永田光男、河野秋武らが助演。

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スタッフ

監督:
脚本:
撮影:

ストーリー

終戦の日、九州のある山麓に占在する三角兵舎の時の部隊長から、旧家の主五反田義秀は、四、五日前に重要書類だといって預けられた箱を持参して呼び出されていった。そこに集まっていたのは川添男爵、県庁の佐伯、御用商人の倉崎がその箱を中心に部隊長と争っていた。その中には重要書類ならずどさくさ紛れの中に手にした金塊が入っていたのであった。何にも知らない五反田は面くらった。途端にピストルが鳴って部隊長が倒れた。川添が発射したのだ。これを目にした兵隊は徳永であった。気を失った五反田はこの場に居合わせたため彼等に脅迫され、秘密を守る誓約書に署名したのである。この書はそして指輪に隠され、五反田の知らぬ間に金塊は分配されていた。その後倉崎、川添、佐伯らはこれを基金に事業の拡張、財閥、官僚、政治家の間を横行しはじめた。ところが彼にとって恐るべき敵が現われたのであった。それは堂本仙吾である。彼は徳永を配下におき、誓約書を秘めた指輪を五反田家から奪いとり、次々と恐喝し始めたのである。これと共に社会の腐敗をさらけ出して、民衆の目を覚まさせる事を使命とする、雑詩「時流」の経営者有田はこの事件を早くも察知し、社員の五反田次郎をしてその探索を命じる。彼は苦しんだ。家名の為、父のために縛られ、遂に同社の愛人春江の切なる愛情をふり切って辞表を提出する。だが堂本は五反田家に魔手をのばして、父を脅し、その上殺してしまう…。

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