1950(昭和25年)/1/15公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
製作は小倉浩一郎と杉山茂樹の協同で、淀橋太郎の脚本から市川哲夫が監督し、服部幹夫がカメラを担当する。主演は清水金一、朝霧鏡子、堺駿二。
ある中都市で仙太と亀吉は「のらくろコンビ」という健全な社交場を経営していた。市民たちはなみこの社交場を愛していた。職業野球の選手清水もここのファンで唄手のマリとは恋仲だった。ある日土地の親分吉良の一味が嫌がらせをやりにクラブへやってきたとき、ちょうど清水が居合わせ、見るに見かねて彼らをやっつけてしまう。ところがその活劇場面を新聞社のカメラマンに撮られてしまい翌日の三面欄にでかでかと発表され、監督からひどく叱られ、以後喧嘩をしたらチームから除名だといわれる。又恋人マリから結婚の条件に喧嘩をしないこと、という一条を承認させられる。やがて清水はチームと試合旅行に出かけるが、そのあと吉良の一味はクラブの横領を策し、一味の女の色仕掛で仙太と亀吉をだまし、ついに社交場を手に入れてしまう。そして「のらくらクラブ」は「夜のバラ」と改名され、不健康なインチキキャバレーと化す。市民たちは自分たちの娯楽場を失い失望する。そこへ清水が旅行から帰ってきてそれと知り、憤慨する。同時に吉良が同じような方法で、あるカフェを横領したとき、それに義憤して弱者の味方になったマリの兄が何者かに殺されたことを知った。犯人が吉良一味とは見当がつくが証拠がなく、未解決の事件になっていた。清水はその解決と同時にクラブを仙太、亀吉の手に取り戻すため、電話でチームの監督に喧嘩をするからと除名を求め、マリにも同じ理由で婚約を取り消す。