1951(昭和26年)/1/27公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
製作は小出隆、脚本は池田忠雄に、柳井隆雄、中山隆三、光畑碩郎が協力、監督は大庭秀雄、音楽は服部良一が担当。出演者は笠置シヅ子に、若原雅夫、堺駿二の他、高杉妙子、服部富子、河村黎吉、日守新一、磯野秋雄、山本和子、照子の双児姉妹など。
村ののど自慢大会ではいつも三つの鐘を鳴らす田村シズ子は意を決して上京、交番のお巡りさんにきいて、浅草の「歌と踊りの殿堂」と看板の出た劇場支配人室へ押し入ったが、そこはストリップ劇場。雇ってやるというのをふり切って逃げだしたが、さて途方にくれていると、先刻の劇場へ自分の作曲を売り込みに来ていた三吉に救われ、三吉の先生で流行作曲家中川好夫の家の女中に住み込むこととなった。書生をしている三吉と意気投合、歌にあけくれたが、朝から晩まで大口あいて歌っている女中には中川も閉口した。しかし中川が昔からの恋人花江をすててレコード会社の社長の娘和子と婚約することを知ったシズ子と三吉は憤慨して、和子とは瓜二つの照子という娘を探し出して来て、披露式をめちゃくちゃにして中川の家を追い出されてしまった。その日から花江のアパートへころがり込んだ二人は、生活のため街を流して歩くことになったが、三吉が中川の家で拾いためた中川の作曲の反古に歌をつけてシズ子が歌い出してから大当たりをとり、大劇場に買われることになったが、困ったことに反古は品切れ。そこで三吉は中川の新しい作曲を盗み出して、これで急をしのぐことになった。当日は大変な盛況、しかもシズ子の歌は人々を熱狂の渦に巻き込み、来合わせた中川も、我を忘れて三吉のタクトを取って自ら指揮台に上った。