1951(昭和26年)/3/31公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
大町龍夫の製作で石坂洋次郎の原作を、柳井隆雄が脚本を書き、原研吉が監督に当たる。出演者は佐野周二、津島恵子、桂木洋子、高橋貞二、若杉曜子。
山の懐に抱かれたある小さな町の話。女子新制高校に新しく赴任して来た武井先生は、明るい性格と自由な授業ぶりで生徒たちの中心となった。若い女教師村尾先生は、武井先生のあまりの開けっぱなしなやり方に不安を感じながらも、男らしい信念の強さに知らず知らずひきつけられた。女生徒矢島貞子は、村尾先生を尊敬していたが、山で知り合った男子高校生との交際を注意されてから、裏切られたように感じていた。その高校生は田村邦夫といって、学校の演劇部員だったので、やはり演劇部員の貞子を通じて、学校の記念祭の公演に女子高校生の参加出演を申し込んで来た。女子高校側では相当の反対があったが、武井先生の強い主張で参加に決定した。最も喜んだのは貞子と、田村に好意を寄せている女生徒吉村春枝だった。しかし、春枝は主役田村の相手役が貞子にきめられてから失望して、急に不良な学生に近づいて行った。しかし武井先生はじめ、若い男女学生の真面目な協力によって公演は大成功を納め、最初反対を称えた先生や人々の間にも、若い男女の正しい交友のあり方を理解させたようであった。そして、堕落一歩前にあった春枝も反省させ引きもどした。春が来て、田村や貞子たちが卒業する日がやって来た。武井先生も大学へ入学のため村尾先生はじめ町の若い人々に送られて町を去って行くのだった。