1951(昭和26年)/7/27公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
大町龍夫が製作し、助監督出身の長島豊次郎が原作を書き演出(第一回)にも当たった短編映画。脚本は中山隆三、撮影は井上晴二。出演者は松竹ロビンスの小鶴誠、佐田啓二、桜むつ子、その他日夏紀子、土紀就一など。
小学校五年生竹中勇はある日級友の一人が小鶴選手を知っていると言い出して、皆の人気がその級友に集まったことを羨しく思って、つい「小鶴ならぼくの親類なんだ」と負けず嫌いの嘘をついてしまった。そして、間もなく行われる対抗試合の審判を小鶴に頼むことを引き受けてしまった。その噂はたちまち校内中に拡まり、勇は自分の嘘が、意外に大きな波紋を投げたことに苦しんだ。そんな勇を優しく慰め、自ら後楽園へ小鶴に交渉に行ってくれたのは、普段頭が悪くて馬鹿にされていた原田三吉であった。三吉の尽力で小鶴は対抗野球の審判に来てくれ、試合後に勇のノートに「嘘をついてはいけない」と書いてくれた。小鶴を見上げる勇の目には、もう嘘はつくまいという決意が漲っていた。