1952(昭和27年)/3/7公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
製作は小倉浩一郎に高木貢一が協力。中沢又土夫の原作から丸根賛太郎が脚色、監督に当たったもの。撮影は竹野治夫。出演者は月形龍之介、高田浩吉、高橋貞二、宮城千賀子、岸恵子などの他、坊屋三郎、山茶花究、益田喜頓、花菱アチャコなどの喜劇陣の顔ぶれも加わっている。
本ページでは一部にWebサイト上では表記できない文字があるため、代用文字に置き換えております。正式文字は「代用表記一覧」ページにてご確認ください。
江戸の街々がおびただしい数の浪人であふれていた時、扇谷十兵衛と菅新吾の二人は、多数の応募者の中から選抜試合の結果採用されたが、新吾のプロペラ髭を剃るようにといわれたのが気に入らず、二人共士官を辞めてしまう。採用の報に大喜びだった十兵衛の妹小雪や矢場の女で彼に気があるおけい、それに貸し売金のとどこおっている米屋、酒屋、魚屋の連中まで、落胆した。しかし新吾が頓死をよそおって、借金取りは撃退、香典や見舞の酒樽で大いに騒いだのはよかったが、新吾の亡父の友人が彼自慢のプロペラ髭を形見といって片方切り取って帰ってしまった。小雪の恋人庄八が母の急病の金を作るため、その頃江戸を荒らしまわっていた強盗団大草履組の誘いに乗って危地にはいり込んで行ったと知った十兵衛は、庄八のために変わり者の質屋蜂左衛門へ人質となるところだったが、すわ大変と質札のついたまま、これも質札のついた槍をかかえた新吾と共に、強盗団の本拠を襲ってこれを壊滅させた。