1952(昭和27年)/7/24公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
製作は山口松三郎、野田高梧が脚本を書き、佐々木康が監督に当たり、斎藤毅を担当。主な出演は、柳永二郎、幾野道子、若原雅夫、宮城千賀子、設楽幸嗣の他、村田知英子、須賀不二男、飯田蝶子など。
津山弘文の娘慶子は西脇宏一郎と結婚して、その間に一郎という子もあったが、声楽家として活躍しているため、家庭を外にすることが多かった。弘文が外交官として海外へ派遣されることになったのを機に、慶子は妹の篤子を自分の家に引き取り、家事や一郎のことを見てもらうことにした。家庭的で優しい篤子に一郎は母以上になつき、宏一郎も加えた三人の間に温かい雰囲気が醸し出されていくのを見て、慶子は不安を感じ出した。しかしそれに反発するような気持ちで、彼女に野心を持つ伴奏者の北島隆吉や不良未亡人の千賀などと演奏旅行に出てしまった。その旅行中、宏一郎と篤子について疑心暗鬼に悩まされた慶子は、帰宅した時に宏一郎と篤子と一郎の三人が写真現像のため電気を消した部屋に一緒にいるのを見てカッとなって、篤子をその実家に追い返してしまった。一郎はいなくなった篤子を追い慕って慶子の愛撫に応えようとしないので、腹を立てた慶子は一郎を部屋へ閉じこめたまま外出してしまった。その留守中に西脇家が火事になり、一郎が部屋の中に閉じこめられたまま火に巻かれそうになった。その時、帰ってきた慶子は危険を冒して一郎を無事に救い出したが…。