1952(昭和27年)/10/30公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
ビクター歌手宮城まり子の同名のヒット盤の映画化で、製作は田岡敬一、脚本は淀橋太郎。園シャツは川島雄三に師事し、柳沢類寿の第一回監督作品。出演者は有島一郎、桜むつ子、ビクターの宮城まり子のほかに森川信、小林十九二など。
浅草の巴里座に出ている上原一座は解散寸前の状態だったが、三枚目の丸橋凡一の抜擢と新加入の銀ベルの唄と踊りによる「あなたほんとに凄いわね」の大成功で一息つく。凡一の叔父は凡一の嫁を心配し、話のゆきがかりから凡一は叔父の在京中に恋人を造らなければ、叔父に承服して叔父の村の娘を嫁に貰わなければならぬ事になる。困った彼は座長に女の口説き方を教わるが、座長の実演の相手は日頃心に描いていた銀ベルだった。銀ベルを諦めた凡一は一座の踊り子に次々とプロポーズするが契約済みや子持ちばかりで失望に終わる。その時座長の女の四つ葉あい子から、ベルは実は凡一を慕っているという嬉しいニュースを聞き、早速ベルと甘いランデヴーをするが、恋敵の座長に見つかって、彼は一座をクビになる。凡一が辞めるならとベルまで退職を申し出る始末なので、支配人は慌てて座長に喰ってかかり、人気の無くなった座長はあい子と北海道へ旅立つ。