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妻の喜び

1953(昭和28年)/7/1公開     
配給:松竹 製作:松竹株式会社

'53年1月の朝日賞授賞式上起こった実話(モデルは大阪大医学部教授黒津敏行氏)を基に、中村定郎が脚本をかいた。監督は田畠恒男。撮影、音楽は平林孝三郡、万城目正。北龍二、夏川静江、小園蓉子、野添ひとみ、大山巖、中村信一、上川湛美など子役たち、奈良真養、飯田蝶子などが出演。

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スタッフ

監督:
脚本:
音楽:
撮影:

ストーリー

大坂大医学部の中河喜好教授は20年来自律神経系の研究室に籠りきりで家庭に帰る日も数えるほどしかない。貧しい学究の台所を六人の子供を一手にあずかって夫人保子の苦労も並大抵ではなく、今日この頃とて祖母貞子の入院費二万円の調達に心を砕いている。夫に打ちあけて相談しようにも研究に徹夜を重ねているその姿を見ては、つい気がひるみ、恥をしのんで従妹久子のところへ借金にいくが、断わられた。事情を知る長女、女子大生の元子は母の献身にたいしてあまりにも父は無反省だと恨めしい気にもなった。しかしその犠牲に心からの満足とよろこびを感じている母を知ると、彼女はただ泣いて「お母さまって大好き」と叫ぶのだった。久方ぶりに研究室を出て家路についた中河は途中はげしい目まいを覚えたまま、帰宅早々床に就いてしまう。大過はなく治ったが、保子、元子などのすすめもあり、仕事が一段落ついたのを機にしばらく自宅で疲れを癒そうとする。そこへ、彼の永年手塩にかけた「自律中枢の研究」に朝日賞受賞の通知がくる。喜びに湧く一家。元子は母ともども東京での受賞式に参列するよう父に望むが、中河は照れくさげに拒む。さすがに軽い失望を禁じられない保子。が、“令夫人同伴”が条件の招待状を目にして中河はなにか打たれたようになる。永い間の妻の苦労、愛情が渦まいて想起された…。

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