1953(昭和28年)/9/1公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
“主婦と生活”所載の常安田鶴子作『おんなの診察室』の映画化で、椎名利夫が脚色し、萩山輝男が監督している。撮影は長岡博之、音楽は田代与志。主な出演者は紙京子、藤乃高子、東谷暎子、小園蓉子、野添ひとみ、伊沢一郎、「純潔革命」の三橋達也、大木実、その他に岸本公夫、穂高紀子など。
東京郊外のある女子高校のグラウンドでは、今日も若い生徒達がはつらつと青春の息吹を発散させている。早川先生に「完全なる結婚」をプレゼントしたりする大村時江は、そういう変わった性格から、級友達に不良少女とみられている。クラスの太田みどりは隣家の医大生相良一郎とゆききしていたが、映画館で知り合った宮下と交際を重ねている内に、卑劣な宮下に唇を奪われた。夏休にみどりは級友の南千代子、沢村静子や、一郎、その学友福島大吉らと芦の湖畔へキャンプに来た。時江も母の経営する待合の馴染み客堀田に連れられて箱根へ来ていた。一郎と顔を合わせた時江は、熱情的に言いよるが、受けつけられぬとみるや、全裸のまま湖水を泳ぐ。その夜時江は堀田の策略に乗って、酔い潰れるが、気がついた時、某省課長でみどりの義兄である高井浩が居合わせたのを誤解し、二階から飛び降りて重傷を負う。この事件は学校当局の問題となったが、みどりの懇願で高井が時江の潔白を証明したので、事無きを得る。宮下に脅迫されたみどりは、思いあぐねて家出し、自殺を決意する…。