1954(昭和29年)/6/23公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
小川正の原案より八尋不二が脚本を書き、内出好吉が監督している。撮影は太田真一、音楽は木下忠司の担当。出演者は北上弥太朗、藤乃高子、若杉英二、三井弘次など。
水戸に天狗党が蜂起した幕末の動乱期。郷土田中源蔵と剣友藤田小四郎はそれぞれ異なった道を歩んでいた。尊王攘夷を奉ずる小四郎は天狗党の指導者として山に篭るが、源蔵には別に何の主義主張もなかった。城下では天狗党一掃に乗り出し、小四郎の許婚者雪枝は源蔵の助けで山へ登った。その為、源蔵の両親は幕軍に斬殺されたので、山を降りた源蔵は初めて天狗党に味方する決心をし、土地の親分常蔵の身内と共にザンギリ頭に揃いの合羽を着込み立ち上った。人呼んでザンギリ合羽隊。合羽隊の援助に天狗党では雪江を源蔵のもとに使者に立て、敵襲に二人は危うくなるが、旅芸人弥之助夫婦の妹で源蔵に思慕を寄せるおみちに助けられた。雪枝と源蔵の間には何時か淡い恋心が芽生えていたが、那珂の湊での再会を約束して雪枝は山へ帰った。那珂で小四郎と落ち合った源蔵は、敵に捕えられた雪枝を一切の私情は小事と助けようともせぬ小四郎を罵倒し、みちの知らせで雪枝の居所を知った源蔵は馬を飛ばして雪枝を助け出した…。