1954(昭和29年)/8/4公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
中村武志の原作『沢庵のしっぽ』より、長瀬喜伴と富田義朗が共同脚色し、瑞穂春海が監督。撮影、音楽を布戸章、奥村一がそれぞれ担当。出演者は佐田啓二、桂木洋子と笠智衆、紙京子と吉川満子、藤乃高子など。
間借り生活一年の末、目白三平と妻光子は、光子の女学校先輩竹内マリ子の好意で借家ながらも二人だけの新居を持つ事が出来た。ところが三平は恩師品川夏堂から、姪で芸術に憧れる和枝を預けられた上、友人で失業者の赤木大吉まで転がり込んで来た。幸い赤木はマリ子の夫権助に認められて、権助の会社に就職出来たが、就職祝いに飲んだ三平と赤木は、絹子という女給と知り合い、彼女は光子の父壮吉が妾に生ませた光子の義妹である事を知った。三平は絹子のことを光子に打ち明けるわけに行かず、とにかく社長の娘として居候第三号に招き入れた。三人の居候を抱えた光子は和枝と赤木を結婚させることが二人きりになれる近道だと悟り、二人の為にジャズの入場券を買ってやった。しかし赤木は入場券を竹内家のアプレ息子太郎にやってしまった。失恋した和枝は偶然三平と絹子が旅館をくぐるのを発見、光子に告げたので、誤解した光子は家出した。一切を知った壮吉は真実を光子と妻のお春に話した。初めは怒ったお春も愛情をとり戻し、絹子は壮吉の正式の娘として入籍し、光子も三平の許へ帰った。失恋した和枝は大阪に去り、赤木も広い壮吉の家へ移る事になった。