1954(昭和29年)/12/1公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
松竹が純娯楽映画として企画した第一回作で、池田浩郎が監督。脚本は中山隆三が池田監督と共同で執筆し、片岡清が撮影。主な出演者は若杉英二、由美あづさ、北龍二の他、海江田譲二、戸上城太郎、市川段四郎、藤代鮎子、中山淳二など。
三郎は舟底に隠れていた朱実と飛助に海中へ突き落とされ、秀丸を奪われた。海岸で鶴千代に助けられた三平は、内藤修理の恩をうけた男だと名乗った。道雪はこの乱闘に傷つき、十字架を胸に静かに瞑った。軍太夫等は山に逃れた朱実や太郎を追い、秀丸を拉し去る。朱実は太郎を父の仇と斬りつけるが、逆に深傷をうける。そこへ駆けつけた鶴千代は太郎を斬り倒し、朱実は彼の腕に抱かれて死んだ。弾正は秀丸に鉄の仮面を被せ、桔梗の幽閉されている地下牢に入れ、忠興に強要して世継変更の届けと隠居願の直筆を書かせ、その使者を公儀のもとへ走らせる。だが魚彦はその文書を奪い、市兵衛は地下牢から桔梗を救出して山へ帰った。更に鶴千代は秀丸を救出したが、鉄の仮面をはずす事が出来ない。城中では竹丸君世継決定の時が迫ったがそこへ秀丸になりすました鶴千代が内藤修理と共に現われ、弾正の奸計は破れ、桔梗と鶴千代の刃に倒れ、お妙の方は竹丸と共に自害して果てた。かくして鉄の仮面をはずされた秀丸の世継ぎは決定し鶴千代は桔梗を伴い、配下と共に日本を離れ、呂宋島を目さして船を進めた。