1954(昭和29年)/12/22公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
児童向娯楽映画として製作されたもので、「少年」連載の原作を小川正が脚色、弓削進が監督に当たり、長岡博之が撮影する。若杉英二をはじめ、沼尾釣、藤乃高子、草間百合子、須賀不二夫、細谷一郎、山形勲らが出演。
小五郎は怪人の発する無電を頼りに巣窟をつきとめて、玲子と早苗を救ったが、怪人は気球を利用して逃げ、情婦サリーはボートで行方をくらました。博士は設計図を黄金の塔にかくし、親友大鳥時計店主に頼み、そのウィンドウに並べておくが、怪人はそれを知って早くも盗み出して見せると予告の手紙を送る。小五郎は少年たちを靴みがきに変装させ、大鳥時計店の二三軒隣りの空屋が最近売れて地下工事をしているのを知る。怪人が予告の日、博士と大鳥は偽の塔を作り、本物は床下に隠す。ところが小五郎の予想通り、地下室を掘って侵入した怪人の一味が本物を盗んで逃げた。一同が青くなっている時、悠然と現われた小五郎は盗まれたのは偽物だという。玲子がオシの女中に扮して大鳥家につとめ、その瞬間に二つをすり替えたのだ。更に小五郎は忠実な門野支配人こそ二十面相であることを暴く。彼は支配人を殺して、身替りになりすましていたのだ。正体を見破られた怪人は、地下道から逃出し、用意の飛行機で外国船に飛ぼうとするが、そこには小五郎の指揮によって少年たちが罠を設けてあった。かくしてさしもの二十面相もついに捕われの身となった。