作品詳細
DETAIL酔いどれ囃子
ストーリー
STORY
将軍家治の頃、時の権勢沼田隠岐守は成り上がり者の常として、由緒ある系図と名門出の嫁を望んでいた。まず名家の娘松平千里姫の歓心を得るため豪荘な別宅を新築したが、その邪魔になる五十軒長屋に立退きを命じた。この長屋に住む浪人佐野十左衛門は、藤原を先祖とする系図が役立って沼田家に仕官が叶い、馴染みの「しゃも仙」で伊佐吉を初め長屋の連中と祝宴を張った。ところがその夜相愛のおせつの兄市郎太が何者かに殺され、十左は下手人として逮捕された。これは十左の系図を奪うため沼田の設けた罠だった。激怒した十左は捕手の包囲を破って逃げる途中、旗本くずれの小此木播磨の機智で危機を逃れ、蘭方医本多大介にかくまわれた。兄を失ったおせつはしゃも仙の女将お仙のもとに引きとられた。沼田は用人棒加納に命じて十左を狙わせるが、播磨に邪魔されて果たせない。沼田が千里姫を迎えて別荘開きの当日、播磨は長屋の連中と計って加納を捕えて生き証人とし、大介に上訴させる一方、沼田の行列に斬込んだ十左を無事に救い出した。事は治まり、沼田との縁談を断った千里姫は、秘かに想っていた大介と、そして十左はおせつと結ばれた。播磨は二組の夫婦を祝福しながら、自分を慕うお仙とも別れて、一人旅に出た。