1955(昭和30年)/12/21公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
フランスの探偵作家モーリス・ルブラン作『真紅の肩掛』より鈴木兵吾が構成し、森田竜男が脚色、芦原正が監督、服部幹夫が撮影を担当した。主な出演者は岡田英次、浅茅しのぶ、淡路恵子、高野真二、石黒達也など。
宝石泥棒のルパンは日本に来て東京ホテルの支配人有坂になりすまし、またバイヤー山田や浮浪者にも随時変装していた。目的はメーソンという外人から宝石を盗むことにあった。メーソンは終戦時、終戦事務局の新藤局長が保管していた宝石をちょろまかしていた。局長はそれが原因で自殺した。娘の潮は東都新聞の婦人記者になっていた。ある夜メーソンが殺された。ついでメーソンの愛人で歌手のユリーも殺された。犯行の目的はどうやら宝石にあるらしい。ユリー絞殺に使った肩掛の半分はルパンの手に入り、半分は警視庁の手に入った。事件をめぐって私立探偵の花山や潮がそれぞれの立場から活動を始めた。警視庁の江口刑事と旧知のルパンはある日江口に会い、肩掛の半分を持ちよって指定の日時に会おうといった。ルパンは花山を怪しいとにらんでいたが証拠を掴むことは出来なかった。更にユリー殺害の犯人を見たと目されていた赤木次郎が殺された。当局ではルパンを有力な容疑者として追求を始めた。ルパンはひそかに潮に会い、三つの殺人事件がいずれも宝石を狙う同一犯人の仕業であることを話し、真犯人逮捕に協力を求めた。殺人者達もルパンの生命を狙い、潮とルパンは度々死地をくぐるうちにお互いに愛し合うようになった。事件の迷宮入りに万策つきた江口刑事は肩掛の半分を持って指定の日にルパンに会いに行った…。