1956(昭和31年)/7/22公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
関西漫才界のベテランを一堂に集めて、漫才学校の笑いの中に人情味を描く大衆娯楽篇。秋田実の原作を柳井隆雄と中山隆三が共同脚色、穂積利昌が監督、西川亨が撮影を担当。主な出演者は蝶々、雄二、Aスケ、Bスケ等漫才陣の他、片山明彦、雪代敬子など。
明るい陽差しを受けた漫才学校に、今日も始業の鐘が鳴っている。ところが教室では蝶々校長の遅刻をよいことに、級長ワカサを始め、AスケBスケ、いとしこいし等の腕白生徒に小使の雄さんまでが加わって大騒ぎ。いよいよ蝶々先生の授業が始まり作文朗読の最中、Bスケに下宿から電話がかかり彼を頼って遥々東京から三浦明子という美人が来訪したという。同居人のAスケ、いとし、こいし達は、早速仮病を使って早退する始末。だが明子は恋人の林新一同伴で駈け落ちし、新一は目下失業中という実状に一同は呆れるが、早速力を合せて就職運動に取り掛った。しかし世智辛い世の中に就職口のあろう筈がなく、持ち物を売ってまで面倒を見る一同の温情に明子と新一はたまりかね、置き手紙を残して姿を消す。下宿の内儀から知らせを受けた漫才学校では「心中に違いない」と校長始め探索に出掛け、遺品と覚しき下駄を見つけ、その夜、通夜が行われた。その頃、深夜の街をさ迷う二人は、××商事金庫破りの現場を見た。ギャング退治に生徒全員が立ち上り、蝶々先生も明子とアルサロの女給に化けて犯人探しの末、客の忘れた靴からギャングをスピード検挙し鼻高々。こうしたある日、小使雄さんの母親たみが許婚美代子を連れて学校にやってきた。