1957(昭和32年)/3/6公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
婦入朝日連載の島田一男原作『婦警日誌』を椎名利夫が脚色し、岩間鶴夫が監督した。撮影は小杉正雄。主な出演者は菅佐原英一、野添ひとみ、桑野みゆき、鹿島信哉のほか山村聡、水戸光子、藤原釜足など。
婦人警官塚原小枝子は酔いどれ嘱託医花井一郎に好意をよせている。偶々、花井が堕胎手術をした矢田美音子を恐喝しているとの投書から、小枝子は彼と一緒に美音子の所へ行く。そして花井が、彼女の夫の留守中浮気しているのを強く説諭するのを見て納得。帰り途二人は、恋人に体を許した高校生の三国淑子をつれて帰った。恋人の吉田との結婚を許してくれない両親に反抗してとは知らず花井は妹のみきをつけて送らせる。その夜、怪漢が三国邸に侵入。怪漢は金助といい昔はスリだったが今は更生し、病身の淑子の生みの母お常と暮しているが淑子の身を案じて邸を覗いたのである。騒がれて、淑子を思って真実を語れず自首する。花井と小枝子はお常をひきとり、すべてを聞く。彼女が昔女中だったとき三国半造との間に淑子が生れたのだが身分違いのため身をひいたのだった。話変わって小枝子の友達糸満子は、村井という男と結婚していたが、彼女の小金に目をつけた村井の細工で彼女は神経が昂じ夫を殺そうとする。花井は、彼女を救えるのは君一人だと村井を諭し夫婦を新しい生活に送り出してやる。そうしたある日、与太者の手入れで、二人は仲間からリンチをうける吉田を救う。不良大学生の吉田は淑子を知ってから真剣に立直ろうとしていたのだった。若い二人のために花井は事業家の三国半造を訪ね、全てを語り二人の結婚を頼むが半造は逆に権力で吉田を退学させてしまう。