1957(昭和32年)/12/15公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
阿木翁助・作のNHK連続放送劇の映画化。共同脚本執筆者の一人、猪俣勝人が脚色、田畠恒男が監督し、布戸章が撮影した。主演は高橋貞二、杉田弘子、小山明子、清川新吾、雪代敬子、菅佐原英一。その他に中川弘子、笠智衆、柳永二郎、山田百合子など。
朝田恵太郎はみちのくの今石東校に赴任し、早速若ムジナという仇名を貰った。この土地では男女共学が行われず、この間題をめぐって有力者や教師が二派に別れていた。共学を主張するのは佐久間教師や老町医者の若杉で、反対派には市の有力者、PTA会長の五本松や押川教頭がいて、男女合同の運動場の予定地を競輪場にしようと計っていた。彼らは五本松の二号さわ子の営む料亭に恵太郎を呼び、佐久間らの悪口をいってたきつけた。生徒に新参とあなどられていた恵太郎は学校泥捧を捕え、一躍人気を集めた。彼が下宿している琴の師匠の娘、幸枝や節子はますます彼を信頼した。妻子がありながら幸枝に横恋慕する押川はそれを苦々しく思った。男ばかりの東高校の文化祭の演劇に女性が必要になり、恵太郎は女ばかりの南高に応援出演を頼みに行った。しかし、若杉の娘で、教師の朝子は彼を誤解し拒絶した。文化祭の夜、恵太郎は校庭で酒を飲んでいた、五本松の息子武富をなぐった。五本松の市民へのスタンド・プレーで、事件は収まったが、それを機会に、押川は彼を買収しようとしたが失敗した。朝子の彼への誤解もとけた祭礼の日、また事件が起きた。節子が愚連隊に本屋で万引をしたと因縁をつけられ、前から彼女を好きだった武富が身替わりに自分が盗んだと言い張り、学校で問題になったのだ。五本松は彼を東京に転校させた…。