1958(昭和33年)/4/15公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
新進橋田寿賀子の脚本を新人生駒千里が第一回作品として監督した大船調喜劇。撮影は森田俊保。主演は菅佐原英一と中川弘子のコンビに、川口のぶなど、ほかに大津絢子、神楽坂浮子、春日八郎、古賀さと子などの歌謡陣に、桂小金治、渡辺篤、小林十九二などベテランが助演する。
日本運送に勤める品川良太と赤木金平は、定期便トラックの運転手。今日も深夜の東海道を浜松へとばしていると、突然前方でカンテラがふられた。停車してみると、東京まで乗せてくれという弘子だった。女に甘い金平は、助手席に弘子を乗せる。しかし良太は、女は死んだ母親一人で沢山という竪物。浜松へ着くと弘子を置いて東京へ帰ってしまった。ある日、仲間の八郎が三人の住むアパート附近にある食堂ガレージ軒に、素晴らしい娘が来たというので、二人が行ってみると弘子だった。八郎と金平は弘子に夢中になってしまう。そこへ金平の母親が上京して来た。金平が弘子と結婚するとまで云いだしたので、金平の母親は、自分が決めてきた村の娘花子との結婚が駄目になっては大変と、良太に弘子を誘惑して二人の仲をさいてくれるよう頼む。だが、夢中になっているのは金平の方だけで、弘子が愛しているのは良太だった。良太も弘子を連れ出して交際しているうちに、弘子に惹かれるようになっていた。しかし金平の母親から事の次第を聞いた弘子は、怒って田舎へ帰ってしまった。金平は、弘子のことなどすっかり忘れ、今は花子に夢中だ。同じく失恋の憂き目を見た八郎も、流しの歌手雪代とすでに相愛の仲。ションボリしているのは良太だけだった…。