1958(昭和33年)/8/31公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
安田重夫の脚本を倉橋良介が監督、服部幹夫が撮影した時代劇。花ノ本寿・中山大介・川田浩三・松本錦四郎・林与一・大谷正弥・大谷ひと江がそれで、他に森美樹・福田公子・富士真奈美も出演している。
高野山に俗界から逃れてひそむ寺小姓七人。みんな、過去にそれぞれ暗い陰を背負っていた。花之丞は心中の片割れ。主水は親を刺し、菊太郎は放火の罪を犯していた。久米之介は家老の息・伊吹卯之助を斬り、相愛の腰元お梅と別れてきたのだ。その頃、裕弁律師は山上最高の地位である法印の座を奪って金蔵の巨万の富を我が物にしようと企てた。菊太郎を男色にして一味に引きいれた。八弥が女人禁制の山へ恋人を引き入れると、裕弁は温厚な法印の反対を押しきり、彼を石籠詰の極刑に処した。法印の甥・有村主膳は裕弁一味の策謀を見抜き、小姓たちに剣をはげませた。久米之介は法印に従ってふもとの旅宿を訪れたとき、お梅に再会した。そこがお梅の実家だった。久米之介はそれから度々山を抜けだし、お梅に会った。卯之助の兄・嘉右衛門は弟の仇を討つため山へ登った。久米之介の父武右衛門は息子の助命とひきかえに、一千両の公金横領の罪をひきかぶって切腹しようとしていた。久米之介は思い余り金蔵を破ろうとしたが、花之丞のために失敗し、土牢へ閉じこめられた。お梅は父の借財のため縁組を強いられていた。裕弁は久米之介に男色を迫り、断られると石牢詰にしようとする。久米之介は主膳らの助力で逃れた。彼はお梅を仮祝言の直前、連れだし、高野へ向かうが、裕弁の追手に彼女を奪われてしまう。