1958(昭和33年)/11/23公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
高田浩吉主演の股旅映画。浪江浩の脚本を、的井邦雄が監督、石本秀雄が撮影した。高田浩吉のほか、名和宏、鳳八千代、瑳峨三智子・北上弥太朗らが出演。
親分の五郎蔵に代わって兇状旅に出た吹雪の弥太郎は、四年ぶりに沓掛在へ帰って来た。しかし許婚のお藤と会えたのも束の間、殺された久兵衛の娘・お喜代、一宿一飯の義理で助人を買って出た旅鴉の三次郎らに果たし状を突きつけられた。弥太郎は潔く討たれようとしたが、五郎蔵が一カ月後の浅間名物高市がすみ次第仇は討たすとの約束に、お喜代もおれた。が、お藤を狙う悪代官・軍兵衛にそそのかされ弥太郎がいることは一家の破滅になると考えた五郎蔵の息子・源太郎の密告で、召捕りの役人が迫った。一旦は召し捕られた弥太郎は、縄目を切ってお喜代の家へ走った。軍兵衛を斬り、故郷の母と妹の行末を始末した上、必ず討たれることを約して故郷へ向った。だが一瞬遅く、源太郎一味に母は斬られ、妹はさらわれた後だった。弥太郎は源太郎一味の待つ甲武信嶽虚空峠へ向ったが、途中代官一派が待ち伏せていた。怒気満面、軍兵衛に一刀を浴びせようとする弥太郎に代わって三次郎が軍兵衛を斬った。弥太郎が代官を斬って行末を棒にふってはいけないとの三次郎の好意だった。弥太郎は駈け、源太郎を断崖に追いつめた。伜に代って討たれようという五郎蔵の一刀も叩き落した。が、彼は脇差を鞘に納めた。源太郎や五郎蔵を斬っても、死んだお袋が戻るわけでもないのだか…ら。