1959(昭和34年)/3/11公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
1936年に山中貞雄が監督した「河内山宗俊」の再映画化。三村伸太郎・山中貞雄の旧作脚本を萩原遼が監督し、服部幹夫が撮影した。
江戸、お薬師の縁日の夜。森田屋清蔵の用心棒の市之丞は、惚れている甘酒屋お浪の所で、昔の同僚で松江侯の重役北村大膳と出会った。お浪の弟直侍は、隙を見て大膳の刀から小柄を盗み取った。小柄は、将軍家より松江侯が拝領した北村家に賜ったものだけに、大膳びっくり仰天した。直侍はイカサマ将棋にひっかかっている河内山宗俊に、そのカラクリを教えてやり、二人は親しくなった。宗後は直侍を連れて吉原にくりこんだ。そこで、介抱してくれた三千歳と直侍は恋仲になった。直侍は森田屋に身受け話の決まった三千歳と手に手をとって駆け落ちしたが途方にくれ、河に身を投じた。しかし、直侍だけが一命をとりとめた。森田屋はお浪に、身受け金を返すか、それとも俺に身を任すかと迫った。お浪は身売りを決心した。宗俊は市之丞からこの事情を聞いた。そして、お浪を女房のお静にあずけ市之丞と金の工面に出かけた。それより前、直侍が売った小柄を偶然買い取った大膳は、それが自分のものとは気づかず内心ビクビクしていた。これを知った宗俊と市之丞は一計を案じ、一品親王の使王道海と偽り松江侯の邸へ乗りこんだ。驚く松江侯とニセ物を見破られたと思って慌てる大膳から、二人は大金をせしめた。しかし、帰ってみるとお浪は、お静の誤解とやきもちから再び森田屋の手に渡っていた。