1961(昭和36年)/1/3公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
「番頭はんと丁稚どん」の映画化第三作。原作者・花登筐が自ら脚色し、的井邦雄が監督し、太田喜晴が撮影を担当した。
年末を控えて、七ふく堂に事件が勃発した。隠居が、かな子の見合いの相手吉良貿易の若社長から時価100万円もするエンゲージ・リングを預かり、店内で紛失してしまったのだ。かな子には次郎という恋人がいるし、弁償をすれば七ふく堂は暖簾を下さねばならぬ羽目となった。京都の得意先に配った歳暮の中にまぎれこんだのかもしれないと、雁七と崑松が京都へやらされた。しかし指輪は見つからず、かな子は吉良へ嫁に行かねばならなくなった。このピンチを住吉の次郎に伝えようと、その使いを崑松に頼んだが、住吉のアパートで泥棒にまちがえられて大慌てになるも折よく現われた次郎に救われた。次郎は短波心霊術者と偽り七ふく堂へ。指輪の紛失した当時を再現した結果、餅つきの最中だったので、餅の中へ丸めこんだものと判断した。餅くいに丁稚たちが動員された。が、指輪は出てこなかった。結局、指輪はイミテーションで吉良の悪計ということが次郎、崑松の手柄で分った。明けて正月、喜びの隠居は丁稚たちに三日間の特別休暇を与えた。