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作品紹介

雲がちぎれる時

1961(昭和36年)/7/9公開     
配給:松竹 製作:松竹株式会社

田宮虎彦の「赤い椿の花」を新藤兼人が脚色し、五所平之助が監督した文芸編。撮影は竹野治夫が担当している。

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ストーリー

四国の南端に近い、悪路で有名な菅多峠を、三崎が運転するバスが登って行く。彼は車掌の川口加江子と近く結婚することになっていた。そのバスの客の中に、三崎には忘れることのできない女性、市枝が乗っていた。三崎は子供の頃、両親を失い市枝の家に引き取られ世話になった。しかし、戦争は裕福な市枝の家にも相次ぐ不幸をもたらした。市枝は知人をたよって東京へ、三崎は地元の工場で働いた。戦争が終わった。三崎は市枝を探すため、トラックの運転手になり荒稼ぎをした。その頃、市枝は東京の小さな診療所の看護婦をしていた。そこで二世のキムラと知りあい、二人は結ばれユリという子供を生んだ。間もなくキムラは朝鮮戦線で戦死、ユリも重い病気にかかった。しかたなく、市枝は夫の友人で二世の野本に体を代償に助けを求めた。野本との生活も永くはなく、ユリを知人にあずけ、また看護婦になった。が、そこの医師は彼女の体に野望を持っていて、市枝は病院から逃げ出した。そこで偶然にも、彼女を探す三崎と再会した。タクシーの運転手になった三崎の献身的な好意も、暗い過去を持つ市枝には精神的に重荷だった。夢のような楽しい束の間の生活に終止符を打ち、市枝は三崎のもとを離れていってしまった。三年後、三崎は探しくたびれて、故郷の佐土浜に戻って来た。市枝の帰郷はユリの遺骨を埋葬するためだった。市枝の過去を聞いた三崎は驚いた。が、すべてを水に流して一緒になろうといった。しかしなぜか市枝は聞きいれなかった…。

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