1962(昭和37年)/10/13公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
加藤日出男原作「根っ子文庫刊」より楠田芳子が脚色、川頭義郎が監督した母子の愛情物語。撮影は荒野諒一が担当している。
青森県十三潟西岸十三部落は砂地の痩せた土地だ。母一人子一人で暮らす中川和夫は、中学を出ると身体の弱い母芳野を遠縁の親戚に残して上京し、下町のクリーニング店東洋舎へ住み込んだ。そこには女主人絹、前島、田中が働いている。東洋舎近くの中華料理店金華楼には、和夫と仲良しの米子が働いている。店主は気の良い五郎、女房は男勝りの安代で、米子も兄一人妹一人で、この遠縁の店で働いている。いつしか和夫と米子の間に恋が芽生えていた。米子の兄精一は、そうした二人に不安を感じていた。たった一人の妹の幸せを考えると、和夫が相手では余