1964(昭和39年)/3/1公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
柳井隆雄と赤穂春雄の共同原作を、柳井隆雄・石田守良・今井金次郎が共同で脚色、市村泰一が監督した風俗喜劇。撮影は小杉正雄が担当している。
製鋼会社の専務原と、料亭経営に失敗して今は無職の大口は、昔からの親友。原には、浅間山の地震測候所に勤める堅物の信一という息子がいるが、母親正子のすすめの甲斐なく、女性には興味ない。けれども、大口の娘自動車セールスマンの則子は幼馴染の信一を愛していた。三十何年間堅物で通した原は、ふと浮気の虫を起こした。そこへ以前会社の庶務課に勤め、今は新宿のバーへ勤める渡辺ルミに会った。京都出張に同伴した彼は、思いがけず京都でルミのヒモと称するパラシュートの健に脅かされ、あわてた原は大口や長女啓子の夫前川の助けを借りてきりぬけたが、前川の下宿を訪れたルミのために、啓子が実家へ泣いて帰ったことから、正子に事件の全てを知られてしまった。大口は私に責任ありといったものの、正子に対して信用まるつぶれ、則子の気持を知ってるだけに人のいい大口もまいった。今度は大口にすがりつかれた原は、ついに正子の前に手をついてすべてを告白した。驚いた正子だが、夫のようすをみていると憎む気持になれず夫を許した。そして、信一も則子と幸せな恋愛に入っていった。