1965(昭和40年)/1/15公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
犬塚稔がシナリオを執筆し松野宏軌が監督したいも侍シリーズ第2作目。撮影は酒井忠が担当している。
有名な牛どころ嶺岡藩では、年に一度優秀牛を将軍家に進上するしきたりがあり、献上牛の生産者には賞金と一年間免祖の名誉が与えられた。今日はその下選びの日、藩内太郎山の麓には、前年度献上牛を育てた青年五郎太、後家のおかね、豪農藤兵衛らが、各自、自慢の牛を持ちより、その数は二百頭あまりに達していた。そんなとき、牛・馬の治療で暮らしを立てている浪人淡島蟹右衛門や博打から女衒の真似までやってのける遊び人みすがらの紋次がやってきた。一方この牛の鑑定人久左衛門は名うての正義漢で近隣の実力者藤兵衛のいうことにも耳を傾むけようとしない。だがそんながんこ者の久左衛門も、彼を頼ってきた蟹右衛門をめっぽう気にいり、村に牛医者の看板を上げさせた。だが、献上牛生産の名誉と一年間免祖による莫大な儲けを狙う藤兵衛は、藩の番頭比留田と結託して候補牛の買いしめを計り、まず手下の竜吉を使って五郎太の牛を強奪させた。この計画は、五郎太の秘技柔によって敗られた。が、この間久左衛門は竜吉の手にかかって死んだ。残された竜吉の草履から犯人が藤兵衛なのを知った蟹右衛門は藤兵衛宅に怒鳴り込んだ。また時を同じくして検見役所俊二郎が久左衛門の死に疑問を持ち調査に乗りだした。これに気づいた藤兵衛は候補牛集めに狂奔し、持ち牛を売らぬおかねの牛小屋に火をかけた。暴走する牛は、おりから帰城途中の依姫の行列にとびこみ大混乱となった、これを利用した紋次は依姫を連れだし人質にして大金をせしめようとした。だが蟹右衛門はこれをみつけ無事依姫を助けだした・・・。