1968(昭和43年)/10/12公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
直居欽哉と服部佳が共同でシナリオを執筆し、市村泰一が監督したアクションもの。撮影は小杉正雄が担当している。
夕子は本名を宗秀蓮といった。日本に来たのは、養父大杉勇作の死の謎をとくためだった。大杉は東京暗黒街のボスで、夕子が孤児だった時に拾って育て上げてくれた恩人であり、彼女の天性の素質を見込んで拳銃の手ほどきをし、香港で賭博や宝石商の腕も磨かせてくれたのである。その大杉が、仲間四人と米軍輸送車襲撃を計画し、崖から転落して焼死したという知らせを夕子は香港で聞き、その真相を突き止めに来日したのだった。探りまわる夕子は、得体の知れない男・北見健介と知り合った。ある日、夕子は健介の紹介でやくざの鬼頭と会った。鬼頭が一連の手がかりを知っているというのだ。鬼頭は、襲撃に参加したのは5人でなく6人であり、6人目の男が4000ドルを独占して他の5人を殺したらしい、と夕子に言った。彼女は事件の詳細を探り歩くうちに、いつしか健介に愛を抱くようにになった。そのころ、何者かが夕子を狙うようになった。何度か健介に助けられた夕子だったが、ある日、やくざに襲われ、眼を負傷してしまった。そんな夕子を、健介は寝ずに看病するのだった。失明の危険もあるという重傷だったが、彼女の手術は成功した。その直後、健介は6番目の男を探り出した。それを聞いた夕子は眼帯をかけたまま、その男に会いに行った。その男、王劉元の声を聞いた夕子は愕然とした。まぎれもなく大杉の声だったからだ。何も言わず香港へ帰れという大杉を、しかし夕子は射った・・・。