1970(昭和45年)/2/27公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
「男はつらいよ フーテンの寅」の山田洋次と宮崎晃が脚本を共同執筆し、同作の執筆陣の一人小林俊一の第1回監督作品。シリーズ第4作、撮影は同じく高羽哲夫が担当している。
名古屋の競馬で大穴を当てたフーテンの寅こと車寅次郎が久しぶりに懐かしの生まれ故郷柴又に帰って来た。柴又では寅さんのおいちゃん夫婦、妹さくら、その夫博らが寅さんの噂に花を咲かせていた。寅さんは百万円を見せびらかして大得意、日頃の恩返しにとおいちゃん夫婦をハワイ旅行に行かせると大はりきりだった。弟分で今は旅行社に勤める登に準備万端をととのわせた寅さんは、日一日とハワイの夢に胸はずませるおいちゃん夫婦に有頂点。この噂は近所に知れ、寅さんの株はグッとあがった。ハワイへ出発する日がやってきた。が、好事魔多し、寅さんの金を登の社長が持逃げして、旅行の夢ははかなくも消えた。近所の人の手前を気にする夫婦は、夜中にこっそり帰ってきた。そして、寅さんの提案により、数日を戸締りし、電気もつけないで暮すことになった。だが、その第一日目、留守を承知に押入った泥棒が暗闇の中に三人を発見して大恐慌。この件により事の始終は近所の人たちの知るところとなった。かくして又ぞろ寅さんは柴又から姿を消すハメになった。それから一カ月。おいちゃん夫婦が心配になって、寅さんは帰郷した。その日から寅さんの小さな目が輝いた。自分の部屋に下宿する美しい幼稚園の先生に恋をしたのだ・・・。