1970(昭和45年)/10/28公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
第1作の「喜劇 大安旅行」に始まり、前作「満願旅行」に続く、舞台を佐渡にうつしての旅行シリーズ第7作。脚本は「満願旅行」の舟橋和郎と増田彬。監督は脚本にも参加している同作の瀬川昌治、撮影を丸山恵司がそれぞれ担当している。
車掌歴20年という、新潟車掌区きってのベテラン・石川大作は東京のデパートの屋上で行なわれていた蒸気機関車の展示会を見に上京していた。セリにかけられた機関車のナンバープレートを買い求めると、そそくさと上野駅に急いだ。新潟で勤務を終えた大作は、母と折合わず踏切小屋に泊って頑張っている父の和三郎の所に寄り父が最後に運転した機関車のナンバープレートを差し出す。感激して眼をしょぼつかせる父。大作は父の機関車への愛情を理解していたのだ。大作の家は、「笹だんごの元祖・笹屋」というだんご屋で、母のうめが一人できりもりしていた。家に帰って驚いたことに、大作の部屋は、直美、まり、早苗の三人娘で占領されていた。彼女たちは、女子大の機関車研究クラブ員で33歳で独身の大作を卒論のための共同研究のテーマの対象に選び彼の後を追いかけようと計画していたのだった。数日後大作は勤務中車内に現われたコブラに噛みつかれ、倒れたところを、偶然乗っていた、彼の助手松井の姉玲子に介抱され、すっかりのぼせ上ってしまった。一方松井と直美は佐渡へ遊びに行って以来仲が良くなった様子である。大作の玲子への気持に同情した、まりたちの援護射撃の甲斐もなく、待望のドライブでは、さんざんな結果に終わってしまう。そして彼女には、大学助教授の恋人がいることを知り失恋してしまう。そんな折、近くの無人踏切で、火薬を積んだトラックがエンコしているのを知った和三郎は、列車が前の駅を発車していることを知ると命がけで線路を走った・・・。