1971(昭和46年)/2/10公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
CMディレクターの兄と、かつらのセールスマンの弟の似たもの兄弟が巻き起こす恋の争奪戦。スットボケの二枚目な弟と、ズッコケの三枚目な兄がかもしだす現代兄弟気質、ウーマンリブに反した男権復活、現代社会に生きる若者の人間関係をチグハグな笑いを織りまぜながら描いたストーリー。原作は舟橋和郎。脚本・監督は前田陽一。撮影を堂脇博がそれぞれ担当している。
里枝には女手一つで育てた二人の息子がいる。兄・太郎は大学を出てサニー広告代理店のCMディレクター。弟・次郎はちっぽけな会社シャポー・ド・ルナのかつらのセールスマンをしている。里枝はそんな息子たちに未来の夢を託していた。ある日次郎は、セールス先で、喫茶店のウェイトレスをしている志保子に、太郎の恋人ともしらず一目惚れしてしまった。志保子は髪の命の宣伝課長矢崎八兵衛の娘で、太郎と結婚を目前に控えていたが、肝心の太郎が煮え切らず不安になっていた矢先だけに、次郎の積極的な行為は彼女を刺激した。志保子は父、八兵衛から髪の命のCMに出てみないかといわれ、このCMを担当しているディレクターの太郎に相談したが太郎は大反対。結局、サニー広告代理店の社長土井明の目にとまり口説き落された。そして湘南海岸で撮影した志保子のビキニのCMは大好評を博した。しかし太郎は、土井が志保子に親しく接するのが面白くなく、喧嘩別れをしてしまった。一方、次郎はテレビのCMを見て、志保子が太郎の恋人だと知るが、彼女と結婚すると宣戦布告した。そして、土井にしつこく言寄られる志保子を助けたことから二人は急激に仲良くなった。一方太郎は、どうしても志保子のことがあきらめきれず、思い切って志保子にプロポーズした。志保子も太郎の本心を知り、これを受け入れた。有頂点になった太郎は独身最後の浮気にと、いきつけのキャバレーの女ミッチィをホテルにさそったが、これを次郎と最後のデートをしていた志保子に見つかってしまい・・・。